【保存版】ラグビーのルールまとめ!簡単な基本ルールやポジション、反則について
ここではラグビーの基本的なルールや反則、楽しみ方を解説します。
ラグビー初心者の方にもわかりやすいように基本的なルールについても説明しています。特定の反則のことだけ知りたい方は目次からショートカットしてください!
このページを参考に、もっとラグビーを深く知って、試合を楽しく観戦&プレイしましょう!
ラグビーの代表的なルール
まずは、ラグビーのことをあまり知らないという人に、ラグビーの基本的なルール、最低限知っておくべきルールについて解説します。
試合は15人対15人の陣取り合戦
7人制ラグビーというのもありますが、基本的に試合は15人対15人で行い、相手のゴールラインまで陣地を進めて点数を競うスポーツです。
メンバー15人はフォワード8人、バックス7人で構成されています。
フォワードはスクラムを組む人たちで体が大きい人達。
バックスは基本的にボール運びで、足が速い人たち。
でも、状況や試合の流れによってそれぞれが違うポジションの役割をやることもあります。
ポジション説明はこちら【ラグビーの各ポジションの役割と違い】
危険な反則や、故意の反則やなどでイエローカードを出された選手は「シンビン」といって10分間の退場となります。シンビン2回で退場となり、レッドカードは即退場となり、この状況では14人対15人となってしまいます。
お互いがピンチorチャンスになるので、試合の流れが大きく変わる可能性もあるため、見ていて面白い展開になりやすい場面でもあります。
前半40分、後半40分
試合は全90分。前半40分/ハーフタイム10分/後半40分で試合が行われます。
7人制のラグビーでは全14分/前半7分/後半7分で試合が行われます。
高校生以下の試合では全65分/前半30分/ハーフタイム5分/後半30分で試合が行われます。
それぞれの試合終了のことをラグビーでは「ノーサイド」と言います。
トライ:5点/コンバージョンキック:2点/ペナルティキック:3点/ドロップゴール:3点
・ 相手陣地の「H」型のポストの向こう側(インゴール)へボールを置いたら「トライ」となり5点が追加されます。
・ トライと同じ5点が追加される「認定トライ」というのがあり、こちらが攻めている状況で、トライエリアギリギリでの攻防をしている場合に相手がペナルティを犯した時、その反則がなければ明らかにトライできたと審判が判断した場合、「認定トライ」になります。
・ トライした後は、「コンバージョンキック」の権利が与えられ、得点を追加できるチャンスがもらえます。
トライをした地点の延長線上の、好きな場所からボールを置いてキックをして、「H」の縦のバー2本の間のクロスバーより上に蹴って、入れることができたら2点が追加されます。
・ 相手がペナルティを犯した場合、スクラムか「ペナルティキック」の選択肢が与えられ、ペナルティキックが決まれば3点を獲得します。
・ 試合が進んでいるアクティブな状態で、ワンバウンドさせキックして「H」の間に蹴り入れることができたら3点を獲得できます。これを「ドロップゴール」といいます。
基本的にトライを狙いにいき、コンバージョンキックでの追加で合計7点を狙います。
トライするときは、コンバージョンキックの成功率を上げるため、なるべく中央にトライしに行きます。
試合の状況や場面での戦略で、ペナルティキックなどの3点を確実に狙いに行くことも、勝利のためにはとても大事になってきます。レベルが同じくらいのチームと戦う場合は特に大事です。
南アフリカ戦では、試合終了間近でペナルティキックだと同点にしかならず、逆転できるトライの5点を取りに行ったという場面を見ても、状況によって点数の取り方が変わるということがわかるでしょう。
2015年のワールドカップでの戦いは、試合が拮抗する場面が多かったため、ペナルティキックを選択し、最終的に五郎丸選手のキックで勝敗が分かれた場面もたくさんありましたね。
ボールが楕円形なので、まっすぐ蹴ることが難しいのですよ。五郎丸のキック精度は素晴らしいものです。「お祈りポーズ」流行ったなぁ~まさか流行語大賞か!?
パスは自分より後ろに投げる。
相手陣地のインゴールまで進まなくてはいけないため、どんどんボールを前に持っていかなくてはいけないのですが、味方へのパスは自分より後ろへパスしなければなりません。
もし前に投げてしまったら「スローフォアード」という反則になってしまいます。
ボールを前に落としてはダメ
ラグビーはボールを前に落としてしまうと「ノックオン」という反則になります。
試合が白熱してくると、よく起こる反則でもあります。
基本的にボールを動かすのは、ボールを持っている人より後ろ側で行わないといけないんですね。
後ろにしかボールを渡せない。さぁどうやって相手のゴールラインまでいくか!という戦略が、チームによってバラバラなのでそこも面白さの一つですね。
キックは基本どこに蹴ってもOK
パスは後ろにしなければいけませんが、キックの場合は前に蹴ってOKです。
キックをして、タッチラインの外側に出た場合のルールは色々あるんですが、キックを蹴ると相手にボールが渡ってしまうというリスクがあるので、よ~く考えて蹴らないと、逆にピンチになってしまいます。
うまくいった場合は、大きく陣地を前に進めることができるため、試合の流れを変える有効な手段のひとつです。
ボールを持っている人にしかタックル/プレイできない
ボールを持っていない人にタックルをしてしまうと反則になります。
ラグビーは基本的にボールを持っている選手を中心とし試合が進みます。
ですが、試合を楽しむためには、他の選手の動きを見ているのも重要です。
あの選手は、なぜそこにいるのかを考えてみたり、戦略を読み解くのも楽しむポイントになります。
タックルされた人はすぐに1プレイしなくてはダメ
タックルされて倒された人はすぐに1プレイの行動をしなくてはいけません。ボールを離さなかった場合は「ノットリリースザボール」という反則になります。倒されてからのできる行動としては、「ボールを置く」「パスを出す」「起き上がる」があります。
ボールを持っている選手にサポートに来てくれるメンバーが近くにいることで、行動の選択肢が広がり、より柔軟に動けるようになります。
サポートしてくれるメンバーがいないとラグビーは成り立ちません。ラグビーは一人ではできないんですね。いいスポーツだ!
細かいルールは理解せずとも、ラグビーは十分楽しめるので、なにか反則なんだな〜くらいで見ていてもオッケーです。
でも知っておくともっと楽しいけど。
ラグビーは「紳士のスポーツ」と呼ばれています。たまに喧嘩になりそうなことはありますが、戦いですからね。観戦していると熱が入ります!!
サッカーや野球より楽しいスポーツだと思うんだけどなぁ…(サッカーファン・野球ファンの方は申し訳ない!)
ラグビーの精神も、もう本当、かっこいいです。
「one for all all for one」
「1人はみんなのために、みんなは一人のために」
「no pain no gain」
「痛みなくして前には進めない」
この2つはラグビー界ではかなり有名なのですが、常日頃大切にしたい精神でもあります。
この精神があるからラガーマンはかっこいいのかもしれませんね。ガタイがいい紳士。完璧ですね。私も気を抜かずに頑張らねば!!
15人制ラグビーのポジションの役割と特徴
ラグビーの試合にでているメンバーをみてもらうとわかると思いますが、ガタイがめちゃいい人と、そうでない人などいろんな人がいますよね。
サッカーと同じく、ラグビーにもフォワードとバックスがあり、ポジションによって役割があってそれぞれ自分のやるべき仕事があります。フォワード8人、バックス7人で構成されています。
背番号で振り分けられてるので、それぞれどんな役割や特徴があるのかみてみましょう。
No. | ポジション名 | 表記 | ポジションエリア | ポジション |
---|---|---|---|---|
1 | プロップ | PR | フロントロー | FW(フォワード) |
2 | フッカー | HO | フロントロー | |
3 | プロップ | PR | フロントロー | |
4 | ロック | LO | セカンドロー | |
5 | ロック | LO | セカンドロー | |
6 | フランカー | FL | バックロー | |
7 | フランカー | FL | バックロー | |
8 | ナンバーエイト | No.8 | バックロー | |
9 | スクラムハーフ | SH | ハーフバック | BK(バックス) |
10 | スタンドオフ | SO | ハーフバック | |
11 | ウィング | CTB | スリークォーターバック | |
12 | センター | CTB | スリークォーターバック | |
13 | センター | WTB | スリークォーターバック | |
14 | ウィング | WTB | スリークォーターバック | |
15 | フルバック | FB | フルバック |
FW【フォワード】
サッカーでいうフォワードは前衛にいる足が速い人ですが、ラグビーでのフォワードは、悪くいえばおデブの人、カッコよく言えばガタイがいい選手のことです。
スクラムやラインアウトは、特に誰がやらなければいけないという決まりはないのですが、基本的にスクラムやラインアウトなどをする選手たちがフォワードですね。
前の列がフロントロー、真ん中がセカンドロー、後ろの列がサードロー、計8人で構成されています。
背番号「1・3」|PR【プロップ】
この選手は、大きな縁の下の力持ち的な存在で、スクラムやモールなど、力を必要とするときに活躍し、試合の土台を作ってくれます。
背番号「2」|HO【フッカー】
役割はプロップと近いですが、スクラムでの位置が中央で、ハーフが投げ入れたボールを足でかきいれる役目があります。
背番号「4・5」|LO【ロック】
この選手は背の高い選手が選ばれます。背が高いので、ラインアウトでのジャンパー(ジャンプしてボールを取る人)として選ばれることが多いです。
背が高いというのは有利な場面が多く、スクラムでの安定性や、キックでのボールキャッチなどにも有利になります。
頼りがいのあるかっこいいポジションとして人気があります。
背番号「6・7」|FL【フランカー】
どちらかというとバックスに近い存在です。スクラムなどからバックスへ展開し、ボールを大きく動かした時に、フランカーがどのくらい早めにサポートできるかで、戦況が大きく変わるため、結構重要な役割になります。
タックルが強く、足もそれなりに速い、かつスタミナがあるなど、総合的に能力の高い選手が理想です。
背番号「8」|No8【ナンバーエイト】
この選手は、フォワードも吹っ飛ばすくらいの突破力が必要になるポジションです。試合のキーマンともなりえる存在になります。
スクラムでは最後尾にいるため、FWの選手たちに的確な指示を出さなければならないなど、リーダー的な役割をする場合もあります。
ラグビーのBK【バックス】
フォワードに比べ大きい選手が少なく、走りをメインとした選手たちです。フォワードが確保してくれたボールを、少しでも前に持っていくために戦略を練ってゲインを目指します。
ラグビーのバックスは、ハーフバックス、スリークォーターバックス、フルバックの3つに分けられます。
背番号「9」|SH【スクラムハーフ】
スクラムハーフはパス職人。的確で冷静な判断で速いパスを投げます。フォワードとバックスの中間に位置することが多いので、試合の状況や周りの声などを聞いて、ゲームメイクをしていけることが理想です。
背番号「10」|SO【スタンドオフ】
この選手は、全体に指示を出す司令塔の役目があります。どのように攻めていくかなど、全体を見てキック、パス、などを決めて行うゲームメイカー。
セットポジションから大きく展開する際に、スタンドオフが出したサインでうまくトライに結びつくのを見ているのは楽しいですね。
背番号「12・13」|CTB【センター】
走り、タックル、突破力を必要とされるバックス界での攻守の要で、頼れる存在です。このポジションの選手も、フランカーと同じく総合的にバランスの取れた選手が理想です。
背番号「11・14」WTB【ウィング】
ウィングは点取り屋。最も足が速い選手がこのポジションになることが多いです。俊敏性を生かしたステップを使い、相手を抜き去っていく姿はとてもかっこいいので、人気のあるポジションでもあります。
試合の流れ的に、ウィングにトライを取らせるためにゲームメイクしていくことが多く、観戦していてもウィングがステップを使って相手を抜き去るとすごく盛り上がります。
背番号「15」|FB【フルバック】
この選手は、試合全体を見て、臨機応変に動き、チャンスを見出したり、防御の面だと、最後の砦となる大切な存在。キックの能力も必要なため、戦略家であることと同時に、すべての能力が必要となってくるポジションです。
以上がラグビーの各ポジションの役割です。
解説したように、それぞれに役割があるのですが、その場にスクラムハーフがいなければ、近くにいるフォワードがパスを出さなければいけませんし、どうしても押し返さなければいけない状況であれば、スクラムハーフであろうが、ウィングであろうが、人が密集しているところに突っ込まなければいけません。
すなわち、ラグビーはどのポジションでも、その時その状況に必要なポジションになったりすることがあるということです。
「ONE FOR ALL!ALL FOR ONE」の精神ということですね!
試合中に起こる状況について
ここからはもうちょっと詳しく、ラグビーのルールについて解説していきます。まずは試合中に起こる状況やルール、反則について解説します。
「ラック」
タックルされた選手が倒れ、その場に3人以上がボールを取り合う状況になった場合「ラック」が成立します。
走って前に進んでいく時、サポートに行く選手が必ずいます。
ですが、相手チームに向かっていくので、相手はタックルをしてボールを取りに行きます。
この倒れた選手の持っているボールを相手選手が取りに来た相手に、ボールを取らせないように立ちはだかったり、相手選手を押し返すことを「オーバー」というのですが、この時点で「倒れている人」「取りに来る相手」「オーバーに来る味方」で3人以上となり、ラックの成立となるわけです。
味方チームのサポートやオーバーできる味方が近くにいるかによって、かなり戦局が変わってきます。
特に、相手のタックルを避けて抜けていった場合は、サポートする人がしっかりとついていかなければ相手チームにボールを取られる確率がかなり上がってしまいます。
抜け出していく選手は足が速い人が多いので、フォワードは本当に大変なんです…※バックスが大変じゃないといっているわけではありません!
「モール」
タックルされた状態で倒れなかった場合に、ボールを持った人を含め3人以上で組み合った状況になった時に「モール」が成立します。
モールが成立した時点で相手チームは押し返さなければいけません。
モールを成立させようとした際に相手が組んでこなかった場合は「アクシデンタルオフサイド」という反則になってしまいます。
フォワード陣が強かったり、もう少しでトライできる状態によくモールが起こります。
モールの状態で進むことを「ドライビングモール」といい、フォワードが強いとかなりゲイン(進むことが)できます。
もし相手のFW【フォワード】がすごく強くてモールで仕掛けてこようとした場合、あえて誰も近付かないという状況にして、相手に「アクシデンタルオフサイド」を与えるということも戦略の一つです。
「スクラム」
試合が、反則やペナルティなどで一時中断した場合の仕切り直しとして行われます。
スクラムではそれぞれ両チームのフォワード8人が組み合い、どちらかのチームの投げ込んだボールを奪い合います。
組み合う際には、3段階の審判の掛け声でスクラムが開始されます。
この掛け声は、なぜか固定されていなくて、シーズンによって変わります。
今季は「クラウチ、バインド、セット」の3段階の掛け声でスクラムが開始されました。
1段階目「クラウチ!」でジャージを両チームの前列の選手が相手のジャージをつかみます。
2段階目「バインド!」で組む態勢になります。
3段階目「セット!」で組み合います。
組み合ったあとのボールを投げ入れるまでは、停滞した状態を保たなければなりません。ボールを投げ入れた瞬間から押し合いオッケーになります。
投げ入れたボールは、スクラム前列、真ん中のPR【プロップ】が足で掻き込んで後ろまで持っていきます。相手側のプロップは足を出してはいけません。SH【スクラムハーフ】がボールを出したらスクラムは終わりになります。
ボールを投げ入れる人は味方に「入れるよ!」と合図をしてボールを投げ入れますので、相手に取られてしまうということはほぼありませんが、相手のフォワードが強かった場合は、投げ入れた瞬間に押されて取られてしまう可能性があります。
ボールはスクラムの真ん中に投げ入れなければいけません。明らかに味方チームの方に投げ入れた場合は「ノットストレート」という反則になり、相手チームにボールが渡ってしまいます。
基本的に相手チームにボールを取られることは少ないですが、スクラム内での駆け引きや攻防もあるということを覚えておくと、試合をもっと楽しめるかと思います。
スクラムでの反則
- 「アーリーエンゲージ」
審判の指示があったのに組まなかった場合の反則
- 「コラプシング」
故意にスクラムを崩した場合の反則
- 「オーバータイム」
ボールを投入できるタイミングであっても投げ入れなかった場合の反則
- 「スクラムホイール」
押し合っている最中に90度以上スクラムが回転してしまった場合は反則
- 「ニーリング」
故意に膝をついてしまった場合の反則
- 「ノーバインド」
スクラムからボールが出る前に、スクラムから離脱してしまった場合の反則
スクラムは、体への負担がすごくかかるので、高校生以下のラグビーでは押し合わずに停滞させたままでなければいけないというルールもあります。
まぁ、実際は「俺たちの方が強いぜ~」的な力比べはありますが、あまり押しすぎると審判に怒られます(笑)
「タッチキック」
ボールを蹴ってタッチラインの外に出すキック。
自陣の22mラインの内側(こっち側)またはペナルティキックの場合、タッチライン上のボールが出た場所からの相手のラインアウトで試合再開となります。
逆に、自陣の22mラインの外側(あっち側)から蹴ったボールが、バウンドせずにタッチラインを超えてしまった場合は、蹴った地点からの、相手ボールのラインアウトになってしまいます。
バウンドしてタッチラインの外側へ出れば、出たところからの相手のラインアウトになります。
うまく蹴れた場合は相手陣地に大きく攻め込むことができるため、キッカー(ボールを蹴る選手)によって差があり、このタッチキックで戦局を大きく変えることができます。
「ラインアウト」
タッチキックや、タックルされたりなどでタッチラインを出てしまった場合の仕切り直しとして行われます。
どちらかのチームの一人がボールをまっすぐと投げ入れ、お互いがボールを取り合います。
味方同士だと、サインを決めていて、どこに投げるかわかっているため、フェイントなどを使って相手を錯乱し、ボールを獲得します。
投げ入れた時は、相手チームもボールを取ることができるため、サインがバレバレの状態や、どこに投げるかの予想が付く場合だと、相手にボール取られてしまう可能性があります。
一気にチャンスがピンチに変わってしまうので、このラインアウトも観戦する上で楽しさのひとつです。
基本的に、味方の1人を2人で持ち上げ、高い位置でボールをキャッチするのが基本ですが、高い位置にボールを投げ入れなければいけないというルールはなく、どこへ投げてもいいので、不意をついて一番手前の味方に投げるという戦術もあります。
ボールを投げ入れる際、まっすぐ投げないと「ノットストレート」という反則になります。
「クイックスローイン」
タッチラインを超えたの地点から、自陣ゴールラインに近い方で、セットプレイ(スクラムやラインアウトなど)にせずにすぐボールを投入することです。
クイックスローインを行う場合は、タッチラインから5m以上ボールをバウンドさせずに投入すれば、ラインアウトと同じプレイとして認められ、プレイをそのまま続行できます。
投げ入れる前に、ライン際にいるレフェリーやボールボーイ等にボールが当たった場合は、クイックスローインはできなくなってしまいます。
状況によっては相手のスキをつけるため、そこから一気にトライできてしまうということも少なくありません。
「マーク(フェアキャッチ)」
相手がキックをしてきて、自陣の22mラインとゴールラインの間に、ノーバウンドでボールが落ちてきた場合、味方選手が「マーク!」と叫びながらボールをキャッチできた場合、その位置からのフリーキックで試合を仕切り直すことができます。
むやみに前に蹴ってもチャンスにはならないということですね。
この時、マークを宣言した選手に対して、相手選手はタックルや圧力をかけてはいけません。
キックを自陣深くまで蹴られ、フルバックの選手しかいない場合に有効な手段です。
マークをするかしないかの判断は、キャッチする選手に委ねられます。
味方が近くにいない場合や、相手が近くに来てしまっている場合に、マークをしてフリーキックで相手の陣地へ蹴り戻すことができるわけです。
その時の状況によって判断をします。
フルバック、色々責任が重いポジションですね。
「ドロップアウト/キャリーバック」
相手選手がキックをしてきたり、ゴールラインぎりぎりの攻防で、自陣のインゴール内で味方がボールを地面に置いたとき(グランディングという)に「ドロップアウト/キャリーバック」が成立します。
ボールがデッドボールラインを超えた場合でも、同じ「ドロップアウト/キャリーバック」が適用されます。
ドロップアウトとキャリーバックの違いは、インゴール内にボールが入った時に、最後にどっちのチームの選手がボールに触ったかで判断されます。
ドロップアウトはインゴールにボールが入る前に、味方が最後にボールに触っていた場合。
キャリーバックはインゴールにボールが入る前に、相手が最後にボールに触っていた場合。
ドロップダウンが成立した場合は、自陣22mライン手前からの味方ボールのフリーキックで試合を再開できます。
キャリーバックが成立した場合は、自陣5mラインから、相手ボールのスクラムで試合が再開されます。
味方がボールを持っているのに自陣のインゴール内でプレイし続けるなんて、恐ろしすぎますし、審判もトライの判断が難しいですもんね。
インゴールにいるのにトライできてないなら仕切り直しますよ!ってことですね。
その他の反則について
「ノックオン」
ボールを前に落としてしまった反則。この反則は1番起こしやすいです。
試合が白熱している場面では、特に気合が入っているため、パスも早くなり精度も少し下がってしまうということもあり、ノックオンも起きやすくなります。
このパスが通ればトライできる!!という時にノックオンをしてしまった時のやっちゃった感はしんどいです(笑)
例外としては、アクティブな試合中のキックで3点を取るキック【ドロップゴール】の場合は前に落とし、ワンバウンドさせて蹴らなければいけないので、この場合に限り前に落としても反則にはなりません。もし、キックが空振りしたらノックオンと見なされます。
「スローフォワード」
パスを前に出した場合の反則となります。
この時の「前」は、相手陣のデッドボールラインに向かって前方ということです。
得点を獲るためには前に攻めていかなければならないため、パスを前に投げたくなってしまいますが、必ず後ろにパスをしなければいけません。
でも、キックでのパスの場合は前に蹴ることができます。
「オブストラクション」
タックルへ行こうとしている選手など、味方も含め、ボールを持っていない選手の妨害になる行為をした場合の反則です。
故意ではなくてぶつかってしまう状況もありますが、場合によってはその行動も「オブストラクション」になってしまう可能性があります。
そこに人がいなければ~という状況も結構あるのですが、明らかに邪魔しているような状況でなければこの反則にはなりません。
モールを行おうとした時に相手チームが押し返しに来なかった場合は、ボールを持ってる味方が味方に当たってしまってるという判断をされ、オブストラクションになってしまいます。
実際、審判のさじ加減もあります…審判が良い人だと本当やりやすい。
ひいきしてくれる審判じゃなく、公平な審判が良い審判ですからね!(笑)
「ノット10m」
この反則は2つの状況で使われます。
代表的な方からご説明します。
ペナルティがあった場合、クイックスタートで試合が再開される場合があります。
この時に、ペナルティを犯した側のチームの選手が、10m下がらないでプレイに参加してしまうと「ノット10m」という反則になります。
クイックはすぐにプレイが再開されるので、下がりきれない選手がたくさんいる状況になるのです。
その10m下がりきれていない選手がプレイに参加できるようになるには、10m以上離れていた選手が10m未満の選手を追い越したらプレイに参加できるようになります。
ノット10mの反則があった場合は、ひとつ前のペナルティがあってクイックを行った場所から、さらに10m進んだ場所からのペナルティキックでの試合再開となります。
うまく状況を見れていれば、相手のノット10mの反則を誘って、10mも前に進めてしまうので、これを考えるとクイックはかなり有効な戦術だと思います。
あともうひとつ「ノット10m」があるのですが、これはキックオフの時にボールを蹴り、10m以上ボールが飛ばずに落下してしまった場合に「ノット10m」となります。
こちらのチームがキックオフをしてノット10mの反則があった場合は、相手側のボールとなってしまい、キックオフか、センターでのスクラムのどちらかを相手が選び、試合が再開されます。
「ノットリリースザボール」
タックルされた人は、倒れたらすぐにワンアクションを起こさなければなりません。
これはワンアクションを起こさず、倒れたままボールを離さなかった場合の反則です。
すぐにパスをするか、立ち上がるか、自陣に向けてボールを置くなどのワンアクションをしなければならないのです。
状況としては、タックルされて倒れ、味方のサポートが間に合わずに、人が少ない場合に起こりやすい反則になります。
相手にボールを渡したくないから、つい持ったままでいちゃうんですよね。
「ハイタックル」
言葉の通り、肩より上のタックルは危険行為にあたり反則となります。
ハイタックルをした選手はほぼイエローカードで、10分間退場の「シンビン」を食らうことが多いです。1回目は許してくれても2回目はほぼ確実にイエローでしょう。
これはプレイしている方にとっては本当、恐いです(笑)ラリアットに向かっていくようなものですから…こわ。
「ノットロールアウェイ」
タックルした選手がすぐにその場を離れず、その後のボールの展開を妨げた場合の反則です。
状況としては、ボールを持った選手がタックルをされて倒された時に、タックルした選手がボールを覆う形でそのまま起き上がらなかった場合にこの反則になります。
タックルをしたら、味方や敵がサポートをしにボールに集まって来ます。
その際は、ボールの取り合いになるのですが、倒れこんでしまって、タックルした選手が動けないなど、その後のボールの展開ができなかった場合にもこの反則になってしまいます。
状況によっては、味方に有利な場所にボールを置いておきたいがために、倒れこんだままにしている場合もあります。
「ノットストレート」
スクラムやラインアウトでボールを投げ入れる際に、まっすぐに投げなかった場合の反則です。
これは、相手にもボールを奪い取れる権利があるので、公平性を重視した反則項目となります。
試合を見ていて、「いやぁ、それはノットストレートだろう!!」という場面もありますが、基本的に審判が決めます。(笑)
ひいきされて不利になってしまうことも可能性としてはあります。あってはならないことですが…まぁ審判も人間ですから…
「アドバンテージ」
試合を観戦した方は、審判がこの言葉をよく口にしているのを見たかと思います。
これはアクティブなプレイ中、味方がボールを持っていて、相手側の反則があった場合、味方に有利な流れのままで試合が運ばれているので、そのまま続行しましょう〜っていうことです。
こちらがアドバンテージ中に味方がボールを落としてしまったり反則を犯してしまった場合、審判によって試合が止められ、アドバンテージが発生した相手の反則した場所からの試合再開となります。
なので、自陣にこのアドバンテージがある場合は、こちらが反則を犯しても相手ボールにはならないので、強気で攻めることができます!
このアドバンテージ中は大きく試合の流れが変わるかも!?
「オーバーザトップ」
ラックやモールが成立し、ボールの取り合いになった状況で、ボールを取らせないためや、奪うなどで、ボール自体に倒れこんでしまった場合の反則です。
ラグビーは、「立った状態でプレイする」ということが基本なのです。
この判断もすごく難しいところで、「それは立ってるの!?立ってないの!?」となってしまうので、ここも審判の判断でしかないですね。よく選手と審判で言い合ってます(笑)
反則になりそうなことは避けた方がいいんですが、もし反則にならずにボールを取れたとしたら、かなりラッキーで状況によってはチャンスにもなりますからね。うん~攻めるか守るか判断が難しいですね…
「コラプシング」
ラック、モール、スクラムが成立している状況を、意図的に崩した場合の反則です。
密集している状況での反則なので、判断が難しいのですが、これも審判の判断で決まります。
相手チームのフォワードが強い場合などは、そのような状況ででかなり押されてしまうので、崩したくもなります…
まぁバレなければ…いや、反則です。
「オフサイド」
オフサイドラインは、ボールが動くたびに変わります。
基本的にラック、モール、スクラムがある中央にラインが引かれてオフサイドラインが決まり、その場所から、ボールが離れたときにオフサイドラインが解消となり、自由に動けるようになります。
このボールが離れる前に飛び出してしまったり、ラインを越えてしまっているとオフサイドとなります。
基本的にオフサイドは、ディフェンス側が特に気を付けなければなりません
オフサイドラインのギリギリのところでボールが出てくるのを待ち、距離を詰めていかないと相手に進まれてしまいますからね。
ディフェンスの理想としては、オフサイドラインをどんどん下げていく(押し返す)のが理想ですが、相手も攻めてくるのでディフェンスでゲインし返すというのはかなり難しいです…
なので、ディフェンス側は常にオフサイドギリギリにいなければならない状況に置かれているので、特にオフサイドに注意が必要ということです。
このオフサイドは、サッカーなどと比べると少しわかりづらいですが、理屈がわかってしまえばある程度判断できると思います。
「あの選手はなんでタックルいかないんだ!?」、という選手はオフサイドだからかもしれません。
ラグビーに出てくる用語やアクションについて
ここからは、ラグビーの試合などで出てくる言葉やアクションをわかりやすくご説明します。
クイックスタート(クイック)
これは、ペナルティがあった場合の選択肢の一つです。
ペナルティが起こった場合、ほぼペナルティキックからの再開となるのですが、状況によってこのクイックスタートで試合を再開します。
このクイックスタートの方法ですが、ペナルティが発生して審判が試合を止めたときに、そのペナルティがあった場所からボールを足に「チョンッ」と当てて試合を再開します。
このとき、手から少しボールを少し離さなければいけません。サッカーのリフティングを一回だけしているような感じですかね
普通のペナルティキックは、タッチラインの外側へ蹴るのですが、このクイックは手元でペナルティキックをしてるということですね。
このクイックで試合を再開した場合は、相手に「ノット10m」の反則を誘うこともでき、相手のスキを突く良い戦術となります。
ターンオーバー
相手チームにボールを取られた場合の呼び方です。敵のボールを取った時も一緒です。
ラックなどで、ごちゃごちゃしていて、どっちがボールを持っているのかわからない場合に、付近の選手が「ターンオーバー!!」と周りのみんなに言ってあげることで、攻めや守りにすぐに切り替えられるようになります。
攻めの布陣で構えていたのに、ボールを取られ、急にディフェンスに転じた場合はディフェンスに穴ができやすい状況になってしまいます。
ラグビーはコミュニケーションも大事ということがわかりますね。
ハンドオフ
ボールを持って突進していくとき、体でぶつからなければいけないルールはありません。
相手がタックルに来た時に片手で押し返すことを「ハンドオフ」といいます。
ラガーマンは鍛えているので押し返す力も半端ないです。
特にNo8【ナンバーエイト】の選手は捕まえられているのに、ハンドオフで相手をひきはがし押し返している場面も目にします。恐ろしや。
タックルに行く方からすると、ハンドオフが強い選手はすごく厄介です。
テクニック的に、低くタックルしに来た選手をハンドオフで下に受け流し避けるという手段もあります。
スマザータックル
普通のタックルは、真正面からのコンタクト(ぶつかる)になりますが、このスマザータックルは、後ろに倒すような受け身のタックルになります。
ちょっと柔道っぽいタックルですね。
抱きついて、ひねって、足をかけて、倒す、という感じです。
相手の選手の方が大きかったりした場合は、真正面からコンタクトに行っても負けてしまいますので、そのような場面でとても有効なタックルです。
狭い場所でも、このタックルを使えば相手を倒すことができるので、ラックからの相手のサイドアタックなどでも使えるタックルです。
22mラインあたりで攻められている時に、モールを組ませないためにもこのスマザータックルが有効です。
もうゴールラインがすぐそこ、という場面でこのタックルをしたら…怒られます。トライさせるようなものですからね。
ゴールラインギリギリの場所では、ガツガツ押し返すタックルをしないといけません。
パント
ボールを転がすように蹴るキックです。短い距離で空いているスペースに蹴り込みます。
足が速い選手が取りに行き、もし取れた場合は大きなチャンスとなります。
このパントを成功させるには、蹴る人の周りを見れる力と、高度なキックテクニックが必要になります。
ハイパント
ボールを高く蹴り上げるキックです。
フォワードでの攻防が均衡している場合など、少し戦局を変えたい場合に使われます。
近めにハイパントを上げる場合は、フォワードも余裕をもって追いつけるため、フォワードでしっかりと相手に圧力をかけつつ陣地を広げることができます。
足が速いWTB【ウィング】や、背の高いLO【ロック】の選手が走って取りに行き、ボールを取ることができた時には、キックした分ゲイン(進める)し、相手のディフェンスラインも崩れるため、戦局を変えるためのいい手段でもあります。
相手側に蹴ってしまうため、ボールを渡すことになってしまいがちですが、取れた場合は大きなチャンスとなります。
ショートパント
相手の頭を超えるくらいのキックです。
これもパントと同じで、相手側へボールを蹴ります。
ディフェンスラインに穴がある場合や、目の前の選手の後ろに誰もいないスペースがある場合に、裏にボールを蹴り、足の速い人に追いかけてもらうという形がショートパントの理想の流れです。
でも、キックをするということは、一度ボールを手放してしまうということでもあり、サッカーボールとは違いラグビーボールは楕円なため、まっすぐには転がっていかないので、少しギャンブル的な要素がありますが、ショートパントなどで味方にうまくボールが渡った場合は、トライへの道が見えてきます。
本当に長くラグビーをやっている人は、跳ねる方向がわかるようになるとか…もし完璧にわかったら大活躍ですね。
ずらっとラグビーに関するルールや用語について解説してきました。
サッカーや野球と比べると、確かにルールは多いですが、試合を楽しむくらいであれば、当記事の最初の方に解説した代表的なルールだけ理解しておけば、問題なく楽しめると思います。
ラグビー経験者は、ルールや反則についてしっかりと理解しておいてくださいね。ピンチやチャンスの時に、反則だと思わなかった!なんて、シャレになりませんから…でも、相手は反則を誘うようにプレイしてくるはずなので、その点にもしっかり注意しておきましょう!ま、それもラグビーの楽しさですけどね。
本格的にラグビーのスキルをアップしたい方は、こちらも要チェックです。一流の選手になるには一流の練習をするしかありません!ファイトです!
【ラグビー全体のプレイをスキルアップする方法】
【ラグビーのキックスキルをアップする方法】
こちらの記事でも簡単に解説しているのでチェックしてみてください。
>>ラグビーのキックに挑戦!種類、スクリュー・コンバージョンキックの蹴り方と練習法
>>ラグビーのパスに挑戦!パスの種類、スクリュー・ストレートパスの投げ方と練習法